家づくりの目的
お客さんと新築住宅やリフォームの打合せをして
ると時々違和感をおぼえることがあります。
それはお客さんの頭の中でいつの間にか欲しいも
のがすり替わってしまってるからです。
小さなリフォームの場合は目的がはっきりしてる
事が多いのであまりそういうことは無いんですけ
ど、大掛かりなリフォームや新築住宅ではよくあ
ります『家が欲しいの?ホントは家を建てた後の
楽しい生活が欲しいんじゃないの?』と思ってし
まいそのまま伝えてます。
それなりの考えを持って家づくりをしてる僕が言
うのもなんですが、誤解を恐れず言うと家はただ
の箱で、家を建てることやリフォームすることが
目的になってしまうと失敗しそうな気がします。
本当の目的は家を建てた後の暮らしや楽しい生活
であってほしいんです。
なのにいつの間にか目的である気持ちの部分が置
いて行かれて家を建てることを目的と錯覚いして
しまうんです。
でもそれにはちゃんと理由があって、家が欲しい
とかリフォームをしたいと思い始めると、きっか
けはどうであれ家を建てる方法とかを調べたり勉
強したりで時間が経ってしまい、実際施工会社と
具体的な打合せをするまでに早い人でも1ヶ月、
長い人で4年というお客さんも居ました。
その間に本来の目的を忘れてしまい、新築住宅を
建てることや大掛かりなリフォームをすることが
目的と錯覚するみたいです。
その頭で打合せが始まるとちょっと面白いことが
起こります。
相談に来たはずのお客さんから僕が住宅ローンの
説明を受けたり、家の建て方云々を教えてもらう
事があります。
もちろん一旦話は全部預かって自分の中で消化し
ます。
その後に『家を建てる方法も大事ですけど、家を
建てたいと思ったきっかけとか家を建てた後にど
う楽しく暮らしたいとかあります?』的なことを
たずねると、頭の中が少し整理できるみたいで方
向の定まったいい打合せになっていきます。
この話をお金で例えると皆さん理解しやすいみた
いでよく話すんですけど、お金を貯金してるうち
にお金を貯めることが目的になってしまい本来の
目的であるお金を使ってどう楽しむか?お金をど
う役にたてるのか?を忘れてしまう人がいるみた
いです。
まあ実際お金を貯めるのが趣味になって通帳を眺
めてるだけで幸せと感じる人もいると思いますが
それはそれで楽しいんだと思いますし全く否定す
る気もありません。
でも家は目的をはき違えるとムダなこだわりが先
行してしまっていい家づくりが難しくなります。
ただ逆に言うと目的さえはっきりしてればほぼほ
ぼ家づくりは上手くいくと言うことです。
なので新築住宅を建てたい、リフォームをしたい
と思った時にきっかけや理由みたいなものを、感
じたその瞬間にそのまま携帯のメモ等に書き留め
ておとくと忘れずに済みますし、後々行動に移す
時に必ず役に立つと思うのでお勧めします。