リノベーションの間取り③
1月7日のブログ、リノベーションの間取り②のつづき。
前回で1階の間取りまで進んだので2階に上がる階段から話します。
階段はまっすぐ直で上がる階段(現場用語ではてっぽう階段と呼んでます)にしたいという絶対的な希望があったのでその通りにしました。
でもてっぽう階段は降りる時に足を滑らすと一番下まで落ちてしまう危険性があって危ないので、中間地点に踊り場を設けてほしいとの希望です。そうなると階段に使うスペースが広く要ります。
玄関入ってすぐに階段があるんですけど、上がり始めが玄関に寄りすぎると上がりにくいですし、2階の方にずらすと2階の廊下が狭くなって使いにくいので、丁度良い長さの階段にするのに少し苦労しました。
しかもこの階段の下には、お掃除ロボットの待機所、ミニ収納、トイレがあったので、特に慎重に寸法を考えたのはトイレを使うときに階段の裏側が頭に当たらないように、なおかつなるべく広いトイレになるようにと階段を掛けました。
ここからやっと2階の間取りになります。
2階で絶対譲れない条件の一つに開放感がありました。
階段の上がりしなに左手に見えるのがLDKなんですけど、階段を上がってる途中からも開放感がほしいとのことで、階段とLDKの間の壁を腰高の壁にして階段室の圧迫感を無くした上に、その腰壁を透明の板でつくって、更にLDKには扉を付けてないので開放感というよりスケルトンで階段からも2階の廊下からもLDKが丸見えです。
人それぞれこだわりがあるので開放感のある間取りと言葉で言うのは簡単ですけど数値で表すことができないので、希望通りになるかどうかはお客さんの頭の中をどれだけつくり手が拾えるかに掛かってきます。
それでもある程度コツというか進め方はあります。今回間取りはできる限りの開放感を求められたので、できる限りの柱を撤去して、その弱くなった部分の梁を補強したり、違う場所で耐震壁が造れるかを検証しました。
その内容を大工さんと僕が整理してから現地でお客さんに説明して、またお客さんと大工さんと僕とであ~でもないこうでもないとワイワイ言いながら着地点を探っていきます。
こういうことを何度か繰り返してるうちにお客さん自身も僕たちと同じように現場の状況や出来るできないを肌感覚で掴んでくれるので、僕たちの頭の中を拾い始めます。そうなるとお互い頭の中が分かり合ってくるので話がどんどんスムーズになって希望通りの間取りに近づきます。
リノベーションの間取り最終回につづく…