気合いと根性では住宅ローンは支払えません

小さなお子さんを抱いた若いご夫婦が「住宅ローンは月々これぐらいで…」とおおよその予算を教えてくれることがあります。もちろんこちらとしてはお客様の予算を把握しているほうが家を提案しやすいのです。

しかし、ちょっと待って下さい!その予算に根拠はありますか?特に子育てが始まったばかりのご家庭では、まだ知らない将来の出費を把握できていないことがあります。

当社はお客様が幸せになるための家づくりをしています。どんなにいい家ができても、住宅ローンの支払いが苦しくなって生活を圧迫してしまっては本末転倒です。

だから私は必ずお客様の予算をお伺いする前に、将来を見据えた資金計画を一緒にさせて頂きます。その上で、いくらぐらい家の費用に使って良いかを算出します。

住宅ローンは団信のシステムもありますし、単なる“莫大な借金”と恐れおののくことはありません。でも舐めてはいけません。「お金なんて何とかなる」という根拠のない過信のせいで、せっかく建てたマイホームを手放す人は少なくありません。

幸せなマイホーム計画は、安全な資金計画の上にしか成り立ちません。

こんなにある!住宅ローンの種類

住宅ローンは、金融機関の“商品”であり、その数は気が遠くなるほどたくさんあります。どこでどう借りるのが良いのかは、資金計画をしっかり立てると見えてきます。

そもそも住宅ローンってどこから借りるの?

住宅ローンを提供しているところとして、大きく3つに分けることができます。

1.金融機関による住宅ローン

銀行や信用金庫、労金などの金融機関が独自に提供している住宅ローンです。金利の種類や借り入れ期間中に受けられるサービスなど、種類が多義に渡ります。1つの金融機関が複数種類の住宅ローン商品を提供していることも珍しくありません。

2.インターネットバンキングによる住宅ローン

1の金融機関の場合は管轄エリアがありますが、ネット銀行は全国で利用できるのが特徴です。金利や手数料などの面で有利な点が多いですが、審査に時間が掛かったり、直接窓口で相談できないといったデメリットもあります。

3.フラット35

住宅金融支援機構と民間金融機関の提携による住宅ローンです。窓口となるのは銀行や信金だけでなく、保険会社なども金融機関としてサービスを提供しており、それぞれの窓口によって金利が異なります。審査や借り入れ条件は民間ローンよりも厳しめですが、その分金利や手数料の面では有利です。

金利の種類の基本は、2パターン×2パターン×組み合わせ

1.固定金利型

金利が固定、つまり返済期間中ずっと同じ額を返済していくタイプです。フラット35もこのタイプに当たります。

〈メリット〉
毎月の出費が明確なので、資金計画を立てやすくなります。また、世の中の景気の影響を受けることがなく、金利上昇のリスクがありません。

〈デメリット〉
変動型に比べ金利は若干高めに設定されています。また、仮に将来的に市場の金利が下がった場合でも借入時の金利を変更することはできません。

2.変動金利型

返済中に定期的に金利の見直しを行い、市場の金利に伴って返済額が変動するタイプです。一般的には年に2回~5年に1回ぐらいのペースで金利の見直しがあります。

〈メリット〉
借入時の金利は固定金利型よりも低く設定されてることが多いです。また、将来市場の金利が下がった場合は返済額を減らすことができます。

〈デメリット〉
将来市場の金利が上がれば返済負担が増えます。将来の金利が分からないので資金計画が立てにくく、人によっては不安になることもあるでしょう。


固定金利型と変動金利型の二種類をミックスさせた「固定期間選択型」という金利タイプもあります。あらかじめ一定期間を「固定金利型」に設定し、それ以降を「変動金利型」にする方法です。固定期間中は返済計画を立てやすく、変動金利に切り替わるタイミングでどう対応するかがカギになります。

返済の仕方も2パターン

ローンの返済方法は2種類。ほとんどは①元利均等返済で、借りた元金と金利分を一緒に返していきます。②元金均等返済は、元金部分を均等に返済していくため、金利部分の返済額が年々減っていきます。

①元利均等返済のほうが最終的な返済総額は多くなりますが、②元金均等返済は返済開始当初の負担がかなり大きいため、①元利均等返済を選ぶ方が多いです。

住宅ローンを申請する前にやっておきたいこと

借金はありませんか?

借金があると、住宅ローンが通りにくかったり、借入額がそのぶん減らされることがあります。マイカーやピアノなど、ローンで買ったものがあるなら完済してから住宅ローンを申請するのが鉄則。

「借金感覚」が薄い、カードによる分割払い・リボ払いも同様です。親御さんにお金を借りるなどしてでも、早めに完済を。

使用頻度の低いカードは処分して

便利なクレジットカードやカードローンのカードも、気をつけたいアイテム。とくに借金や分割払いをしていなかったとしても、カードの使用限度額そのものが「借金をしている(=いつでも借金できる金額)」とみなされる場合があります。

最近ではスマホの契約時やショッピングセンターで買い物をする際に「カードを作ると割引」というサービスにのって気軽にクレジットカードを作りがちですが、必要最低限のカード以外は、なるべく解約しておきましょう。

消費者金融の借金には要注意!

銀行は、消費者金融、いわゆる昔の「サラ金」からの借金を極度に嫌います。返済中の場合はもちろんのこと、たとえ完済していたとしても「借りていた」事実が、ローン審査のネックになってしまいます。対策が打てる場合もありますので、心当たりのある方は早めに相談して下さい。